7.膨らむ疑問、揺れる心

あの日、クラスの男子に投げかけられた言葉が、私の胸の奥で小さな種となり、日を追うごとに芽を伸ばしていきました。
「どうして、私にはお父さんがいないんだろう?」

ある晩、居間で祖母に尋ねました。
「お父さん、死んだんだよね?おじいちゃんのお位牌はあるのに、なんでお父さんのお位牌はないの?」
「お父さんは、なんで死んだの? 病気? いつ死んだの?」
立て続けに問いかける私に、祖母は困惑の表情を浮かべました。
しばし沈黙したその時、家の電話が鳴り響きました。

「はい、○○です」受話器を取った私に、聞き覚えのない声が尋ねました。
「お父さんはいますか?」
「……いません」
そう答えると、間髪を入れずに「なぜいないんですか?」と畳みかけられます。
戸惑って言葉に詰まる私の耳に、受話器の向こうからクスクスと押し殺したような笑い声が聞こえ、電話は突然切れました。

しばらくして気づきました──あの声は、学校で私をからかっていたあの男子のものだったのです。
胸の奥に溜め込んでいた不安が、一気に溢れ出しました。
「なんで私にはお父さんがいないの?」
祖母の胸に顔を埋め、声をあげて泣きじゃくりました。

祖母は何も責めず、ただ優しく背中をさすりながら、
「大丈夫、大丈夫……今度お母さんに聞いてみようね」と繰り返しました。
その言葉に、少しだけ安心する自分と、ますます大きく膨らんでいく疑問が、心の中でせめぎ合っていました。

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